「なぁ、単なる好奇心で聞いていいか?」

何気ない様子で虚宿に問いかけられた双子は、何故か二人で一冊の本を眺めていた顔を同時に上げて 斜め向かいに座る兄を見た。
変わらずのシンクロ率と少し離れた觜宿が呟いているのは無視して、何だよと声を揃える。

「お前らの母親って、どんな人だった?」
「頭領曰くの天狼さん、か」
「彫り物師のシリウスさんだろ?」

近くにいた婁宿と昂宿が双子より早く反応し、その人その人と虚宿が二人を指す。

「噂なら聞いたことあるけど、実際見たことねんだよなぁ。考えたらここに実子がいるんだし、聞い てみようかと思って」

聞いてもいいとこだったか? と改めて顔を向けて問われたそれに、啓明と太白はまったく同じに肩 を竦めた。

「何が聞きたいのか知らないけど、家の母親なんて凄いとしか言いようないけど」
「そうそう、母さんは凄い。そりゃもーあらゆる意味で」

凄いよなとしみじみと頷き合った双子は、語り終えたとばかりにまた本に視線を戻している。

「いやいやいや、話終わってねぇし!」

凄いだけじゃ分かんねぇって、と主張する虚宿に、婁宿も少しばかり興味がありそうな顔で同意して いる。觜宿はひたすら細く長く林檎の皮を剥くのに夢中でどうでもよさそうだが、昂宿は視力を失く して色が薄くなった左目を眇め、兄たちを眺める。

「つぅか、さすが息子ってくらい端的な表現だと思うけど?」
「昴も会ったことがあるんだったか」
「会ったっていっても単なる客としてだったから、半日くらいだけど。あれは凄かった」

つぅか、それ以外に言葉はないねと頷く昂宿に、尋ねた婁宿は嫌そうな顔をしている。

「だから、それをもっと具体的に!」

知りたいのは具体的なことなんだとテーブルを叩いて主張する虚宿に、それならと觜宿がちらりと視 線を向けた。

「髪色は双子と同じ、黒と銀の斑。長さは肩にもつかないほど短い。瞳は双子より少し明るい深青。 身長は百六十五、細身だが綺麗な筋肉がついている。彫り物師として腕は超一流だが、月暈ではブラ ックリストの上位に名を連ねている。変に女性扱いされることを嫌い、口説いてくる男は片っ端から 叩きのめして町から放り出した逸話の持ち主だ。軽くて骨折、下手をすれば内臓破裂で死にかけた男 もいる。因みに、それでも懲りずに求愛し続けたのは頭領くらいのものだ」

以上、と知る限りの情報を並べて納得したらしい觜宿は、再び林檎に目を戻して剥いた皮の最長記録 を目指し続けている。その林檎は自分で責任食いするんだろうなと眉を顰めて突っ込んだ婁宿を他所 に、虚宿が唖然として觜宿から双子に視線を変えた。

「今のは、」
「概ね間違ってないけど」
「内臓破裂だったか? 一番やばかったのって、全身の複雑骨折だろ?」
「それは馳庵の小父さんが始末したから、公になってないはずだ」
「あー、じゃあ春封の小母さんが始末したのも秘密裏?」
「あれも腎臓破裂で、かなり不味かったみたいだけどな」

二人で会話して納得したらしく、顔も上げないでページを捲っている双子に昂宿がやっぱすげぇと頬 を引き攣らせた。

「だが、そんな事態が日常的に巻き起こっていたわけでもないんだろう?」
「何を言ってんだよ、婁。母さんが暴れない日常なんて、あの町にはない!」
「人の喧嘩に首を突っ込むのも、大好きだったからな。まぁ、そのおかげで町の人もあんな母親でも 受け入れてくれてたんだけど」

あの町の揉め事を真面目に取り締まる者がいれば、その全ての調書に天狼ことシリウスの名が記され ただろう。尤も、そのくらい取り締まられていたなら、あそこまで治安が悪くなることもなかっただ ろうが。
婁宿が言葉に困って顔を顰めていると、ちらりと視線を上げた太白が大仰に溜め息をついた。

「あのさ、多かれ少なかれ空賊になろうって連中の過去なんて綺麗なもんじゃないだろ? 裏町育ち なんて、四神の中にもごろごろしてるじゃん」
「婁だって育ちはさておき、裏町でくそ親父に拾われたんだろ? 皆似たようなもんだって」

ここにも代表いるしと二人して指差した先は虚宿で、あーそんな過去もあったーと遠い目をしている。

「一番の代表は、女だろう」

觜宿がすかさず突っ込むと、昂宿が嫌な名前を出すなよと顔を顰めた。

「つぅか、何でシリウスさんの話が知りたいのか知らないけど。頭領に聞くのが一番早いんじゃない か?」

双子より付き合いは長いだろと昂宿が勧めると、虚宿が思い切り顔を引き攣らせた。

「勘弁しろよ、頭領にシリウスさんの話なんか振ったら延々惚気だぞ」
「……試したのか」
「この前、畢がついうっかりなぁ。しかも何か、聞いてて泣きたくなったし」

今も涙がと掌底で目を擦る虚宿は案外本気っぽく、婁宿は聞くべくか聞かざるべきかと複雑な顔をし ている。

「頭領以外なら、角でもいいんじゃないか?」

觜宿が林檎の皮を剥き終わって満足げにしながら突っ込んだそれに、ふざけんなー! と虚宿が立ち 上がりまでして激昂する。

「頭領より角に聞くほうが、色んな意味で怖いわ!」
「つぅか、そこまでして知りたい話じゃないだろ?」

何を恐ろしいと昂宿までが青褪め、双子は他人事としてけらけらと笑っている。それで、この話は終 了になるはずだったのだが。



「角、聞いてもいいですか」

ようやく休憩を取って食堂に入ると、まだ休憩時間らしい婁宿が近寄って声をかけてきた。この弟が 質問をしてくることはしょっちゅうだったので、何だと気楽に聞き返すと少しだけ躊躇ってから口を 開かれた。

「角はシリウスさんのことは、よくご存知ですか?」
「シリウス……、ああ、天狼か」

聞き慣れない名前に常の名で確認すると、婁宿は目を瞬かせた。

「角も天狼さんと呼んでたんですか?」
「頭領への当てつけに、俺がそう呼んでも蹴り飛ばされなかったんでな。あの頃は、頭領が嫌がるこ となら何でもやった」

俺も若かったと遠い目をして語ると、婁宿がさすがに驚きを隠せないでいる。この弟にしては珍しい と少し笑い、楽しそうな話ですねとお茶を運んできた箕宿から湯飲みを受け取る。

「角が頭領と会った頃の話は今まで聞いたことがなかったですね、そういうと」
「楽しい話でもないからな。あの頃は頭領に負け通しで、身体から痣が消えた例がなかった」

あの人は案外容赦がないからなと憤然として息を吐くと、婁宿がこれ以上なく驚いている。

相変わらず、この弟は頭領をいつまでたっても尊敬しているらしい。勿論この船の全員、根底で信頼 しているのは確かでも、普段の姿を見ていれば双子ならずともだめ親父と言いたくなると思うのだが。
婁宿だけは誰に聞かれても、尊敬する人は頭領だと断言してのけるだろう。

乗船当時はいつまで持つかと密かに青龍間で賭けが行われていたが、多分ノリだけで一生と断言した 亢宿以外は早々と負けが決定していた。

「頭領と殴り合ったんですか!?」
「殴り合うというより、俺が隙を見て襲い掛かったが返り討ち、が正しい。……くそ、面白くない話 だな」
「角が頭領に負けていたとは……、ぜひ伺いたいですね」

本気で面白そうに箕宿が促すので、角宿は小さく苦笑して呆然としている婁宿に食事を取ってきてく れと声をかけた。踵を鳴らして答えた婁宿が即座に食事を取りに向かったのを見送りながら座り、好 奇心一杯でこちらを見ている双子に視線を変えた。

黒と銀の、珍しい斑の髪色。あの髪が揺れるたび、実は密かに古傷が痛んでいたのは少し前の話だ。





初めて会った彫り物師は、天極の言葉が終わる前に彼ごと蹴り飛ばしてきた。

「天狼! 紹介する、俺の息子、」
「仕事中に入ってくんなっつってんのが分かんねぇのか、この唐変木!」

しゅぱっと鋭い音を立てて顔の真横を針が通り、そっちに気を取られている間に蹴り飛ばされた天極 が吹っ飛んできて一緒に壁に激突させられた。咄嗟に頭は庇ったがただでさえ怪我だらけの身体で天 極の巨体に押し潰される形になり、みっともない声を上げていた。
蹲って咳き込んでいると、悪かったな大丈夫かと天極が幾らか心配そうに声をかけてくる。

「大体息子ってのは何事だ、てめぇ、がきがいる分際であたしのこと口説いてやがったのか!?」

いい度胸してやがるなと怒りも露に出てきたのは、彫り物師のシリウス──天極に曰くの天狼だ。初 めて見る彼女は顔立ちこそ整っていたものの、両手に持った針とその怒気が身体を竦ませるほどだっ た。
常人であれば即座に謝罪して踵を返すところだろうが、天極は今日も別嬪だなぁと呑気に笑って彼女 の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「ふざけんな、あたしの許可なく触ってんじゃねぇ!」

腕を振り払って攻撃する天狼を軽くいなした天極は、怒り狂っている彼女の様子など知らないように 嬉しそうにしたまま彼を振り返ってきた。

「今そこで息子を拾ったから紹介に来たんだ、名前は何つった?」

誰が教えるかと顔を顰めて睨みつけると、そうか名前もねぇのかと頓珍漢な誤解をした天極は少し悩 んでから、名案とばかりにそのごつい手を打ち鳴らした。

「青龍の一、角宿はすぼしでどうだ! どうだ、いい名前だろう!」

これでもう俺は完全な父親様だなぁとやたらと楽しそうに笑った天極に、天狼はようやく少し落ち着 いてきたのかでかい図体を射殺しそうに睨んでいた目をこちらに向けてきた。

「息子を道端で拾う馬鹿がいるか! 何でこんな血塗れの汚らしいのを連れて家に来るんだ、さっさ と病院にでも行きやがれ!」
「あー、でもこいつと揉めてたのは陳だ。どこの病院に行っても既に手が回ってんだろ?」
「そんな厄介な者をここに連れてくんじゃねぇ、この薄ら禿!」
「けどこんな血塗れのがきを放り出すわけにゃあいかねぇだろ、人として」
「喧しい、空羅の分際で人を名乗るなこの駄蛇!」
「ひでぇ。だへび、ってのぁ言いすぎだろ」

俺も人助けくらいは、とぼそぼそと反論する天極に、聞く耳も持たないらしい天狼は続け様に蹴りつ けて彼から遠ざけると目の前にしゃがみ込んできた。

「てめぇも陳みてぇな馬鹿と喧嘩してやられてんじゃねぇよ、男なら始めた喧嘩はてめぇで始末つけ やがれ。相手の喉笛噛み千切ったら、てめぇの勝ちだろが」

そんくらいもできねぇなら最初から喧嘩してんじゃねぇとかなり厳しいでこぴんを食らい、散々と殴 る蹴るされたどの傷よりも痛く疼く。

「天狼、怪我人相手に、」
「誰が天狼だ! あたしはシリウスだっつってんだろ!」

何回言ったら覚えやがると華麗な回し蹴りで再び近寄ってきていた天極を遠ざけ、憤然と息を吐きな がら見下ろされた。

「角だっけか、まぁ、ここに転がり込んできた以上は怪我が治るまでは匿ってやるけど」
「さすが天狼、いい女だなぁ」
「喧しいわ、このろくでなしのごく潰し!」

てめぇは立入禁止だ二度と来んなと振り返りもしないで天極を蹴り飛ばした天狼は、ふんと鼻を鳴ら して腕を組んだ。

「働かざる者、食うべからず。怪我してようが何してようが、働かねぇで飯が食えると思うなよ!」

天狼はそれだけ言い残して部屋に戻ったが、途中で出て行くなよおと客に泣かれて煩ぇと殴っている 音がここまで届いた。
少し先まで蹴られて離れていた天極は、靴跡の残る服を叩きながら戻ってきて笑った。

「痛ちちち、相変わらず容赦ねぇなぁ。そこも愛してるぞ!」
「部屋の前で気持ち悪いことほざくな、この禿っ!」

怒鳴る声とともに針が壁に突き刺さる勢いで投げられてきたが、天極はけらけらと笑って取り合わず、 蹲るしかできない彼に手を伸ばしてきた。

「天狼にも紹介したし、お前は名実ともに俺の息子ってわけだ。よろしくな、角宿」
「誰が……父親だ、お前、俺とそんな年変わんねぇだろ……」

怒鳴りつける気力はなかったが睨みながら吐き捨てたそれに、天極は呵呵と笑った。

「俺より小っせぇ年下のがきんちょは、息子でいい。既に親はねぇから、兄弟ってわけにもいかんし なぁ」

その理屈で言うなら、嫁がいないのに息子はいいのか。とものすごく突っ込みたかったが、あまりに 身体が痛んでそれもできない。
変な奴に拾われたと屈辱とともに噛み締めた唇は、苦く血の味がした。





「てことは、角も頭領に拾われたのか!?」
「何を今更。この船で、あの人に拾われてない人間がいるか?」

嫁は除くと突っ込んだのは自慢げに長い林檎の皮を持ち上げた觜宿で、鬱陶しい切っちまえそんなも んと双子が手を伸ばしている。
相変わらず楽しそうな弟たちに苦笑した箕宿が、思わず叫んでしまった口を慌てて覆っている虚宿を 見た。

「頭を抱えて蹲るのは終了ですか?」
「うっせぇ、婁の無謀は計算外だったんだ!」
「時々信じ難い行動力を発揮するよな、お前。角や奎が怖くないなんて」

同じ白虎とも思えないと首を振って昂宿が嘆くと、とっくに食事の載ったトレイを持って戻っている 婁宿が嫌そうに顔を顰めた。

「気になることを疑問のままにしても、しょうがないだろう。解決できる類ならば質問はすべきだ」
「つぅか、解決しなくても問題ないことだったと思うけど?」

呆れた様子で年下の兄に突っ込んだ昂宿は、面白い話は聞けたけどと肩を竦めた。

「けど角、拾われてからもまだ頭領に挑まれてたんですか」

怪我をしたまま? と尋ねてくる婁宿に、言っただろうと角宿は苦笑する。

「あの頃はまだ若かったんだ、俺も。最初は逃げようとするたびに投げられてたんだが、まだ頭領に 投げられてたほうがましだったと後で思い知った」

あまり思い出したくないとばかりに額に手を当てた角宿に、分かったと啓明が林檎の皮を引き千切る のに成功した片手を振り上げた。

「母さんに教育的指導受けたほうが痛かったんだろー」
「あの母親相手に逆らうなんて、神をも恐れぬ所業だな」

よく生きてるなと声を揃えて感心する双子に、角宿も頬を引き攣らせた。

「お蔭様でな!」
「頭領より、天狼さんのほうが強かったんですか」
「強いというか、加減は知らなかったな……」
「母さんが加減なんてものを仕事以外で覚えてたら、今頃まだぴんぴんしてるよ」
「怪我人だからどうした、って人だからな」

寧ろそれが敵なら嬉々として怪我を攻めるよなと太白が振ると、敵じゃなくても遠慮なしに攻めるけ どなと啓明が笑う。角宿以外の兄弟は、長兄さえ青褪めさせる女性の苛烈さに絶句するしかない。

「とにかく一年くらいは天狼を巻き込まないように頭領を殺せないものかと画策したんだが、どうに も失敗に終わってな。それ以降は、仕事もしてない宿無しを養う金はねえ! って町からも追い出さ れたから、頭領が買った船に乗せてもらうことになったんだ」
「今の船体は、確か三号機だったか?」

双子の手によってぶちぶちと細切れにされた林檎の皮を眺めてどんよりしていた觜宿が何気なく尋ね たそれに、箕宿が頷く。

「俺が拾ってもらってすぐ後に、手狭になったからと次の飛行艇に変えたんです。その頃は、まだ羽 振りもよかったんですけどね」

無駄に兄弟が増えたものですからと笑顔で言い放った箕宿に、婁宿だけが微かに狼狽える。後の弟た ちは、全員がへっと鼻を鳴らして青龍の二人を見据える。

「俺たちは、頭領に拾ってもらったんだよ」
「少なくとも、二人に拾われた覚えはないな」
「つぅか、後か先かってだけで同じ身の上だろ」
「俺たちは、くそ親父が頼むから乗ってやったんだっての」
「母親にさえ負けてた角が長兄だってほうが、よっぽど恥ずかしいよ」

べー、と大人気なく舌を出したのはさすがに双子だけだが、後の三人も心情的には変わらないだろう。
相変わらず双子を相手には大人気ない角宿は、この末弟どもと薄ら怖い笑顔で睨みつけている。

「お前たちには一度、長兄の偉大を叩き込む必要があるみたいだな?」
「何だよそれ、親父の偉大ってほざいてるくそ親父とかわんねぇ」
「馬鹿親父と頭のレベルも一緒なんて、ますますもって恥ずかしい」

あーやだやだと双子ならではの同調性で頭を振られ、角宿はがたりと立ち上がった。双子もすかさず 立ち上がって逃げの体勢に入り、ここまでおいでーと手を打ち鳴らしてぱっと駆け出した。

「お前ら、簀巻きにして外に吊るしてやる!」
「「やれるもんなら、やってみろー」」

完全に長兄をからかうと決めた双子が逃げるのを追いかけ出した角宿に、婁宿が食事は!? と慌て て声をかけている。

「そのまま置いておけばいいですよ、角も飽きてすぐに戻ってくるでしょう」
「角も双子を相手には、ただの馬鹿兄だな」

辛辣な評価を下した觜宿に、箕宿は楽しそうに笑いながら頷いた。

「心にとって尾がそうであるように、角にとって双子は本当の弟みたいなものなんでしょう。何しろ、 天狼さんが生んだんですからね」

静かになった間に本を読もうと元いた席に戻っている箕宿に、虚宿と昂宿は顔を見合わせた。

「天狼さんが生んだら、本当の弟?」
「つぅか、よく分かんない理屈」
「分かりませんか? 今角が言ってたじゃないですか、天狼さんに紹介されて息子になったと。頭領 が真っ先に引き合わせた彼女は、角にとっても母親だったんですよ」

扱いはさておき、と戸惑っているらしい婁宿に笑いかけた箕宿は、時計を見て弟たちを促した。

「俺たちは休憩に入ったばかりですけど、君たちはもうそろそろ仕事でしょう? 角が戻る前に、行 ったほうがいいですよ」

角が戻るの言葉に首を竦めた兄弟たちは、仕事するかぁと急いで食堂を出て行った。

「結局、天狼さんはどんな人なんですか?」

一人だけ残っていた婁宿が尋ねると、箕宿は本を取り上げながら楽しそうに笑った。

「凄い人、ですよ。蛇も鷹も怯え、懐くほどにね」

きちんとお会いしたかったですねと少しだけ寂しそうに箕宿が呟いた言葉に、婁宿も神妙に頷いた。

-----------------------------------------------------------------


 おと様いつもありがとうございますー!(土下スライディング)
天パパの運命の人、天狼さんです!うわぁぁ予想より更にかわいいアンド恐ろしい(笑)天パパと比べるとかなりの身長・体格差が あるはずですがそれを物ともしない攻撃の数々、読んでいていっそスカッとしました(笑)
個人的に角さん大プッシュな私としてはちょっと立場弱めの角さんが見られたことも喜びの一つですvこの後の別れを思うと切ないですが、 こんな幸せもあったからパパは今のパパなんでしょうね。ありがとうございました!!


inserted by FC2 system